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メリィィクリスマース!!ですね。

こんにちは、最近は特に温かい食べ物(飲み物)がおいしい季節になりましたね。
近頃くず湯をよく飲んでいる天月です。

(この記事は26日(投稿した翌日)にちょっと修正)
(27日 つづいて二回目の修正 曲と小説を修正しました!)

さて、今日はクリスマスですね!
というか本当は昨日のイヴの時に記事を書こうとしていたんですが…。
色々準備してたら今日になってしまいました(^^;)
でも色々出来たから結果オーライなのです(´ワ`;)


クリスマスということで、前回も言っていた通り、小説を書いて
みたり(書けました)、そしてスーパーとかでよくクリスマスの曲が
流れていることに対抗して音楽を作ってみたり…。
最近なにかと忙しかったため、ちょっとリハビリみたいな感じはしましたが、
とりあえず両方出来ました。
苦戦しましたけど、面白かったですね。


それでは、順にいってみましょう。

まずは曲から。
…って言っても、興味ある人しかダウンロードしなくていいですからね(^^;)

http://www1.axfc.net/uploader/so/2731939.zip
(このアドレスからダウンロード出来ます)

曲名は「飛水晶の聖夜-snow crystal」
クリスマスをイメージして作りました。
もうちょっとだけ早く公開出来ればよかったかもしれません(´ワ`;)

小説も作っていたからか、
「あ、これもここ(金緑茶房)のクリスマスの曲なんだな」
って思って作って聞いてました。

(26日加筆分 今聞いたらちょっと色々直す部分があったので、
出来たらまた上書き公開すると思います)
(27日加筆分 曲を修正しました!いい具合に出来ています。
 ついでに曲名とかも変えてみました)

そしてつぎに絵。
ラフですが、メリークリスマース!

ツリー描いてなかった(^^;)


右と右上は気にしないでくださいね(^^;)
描く前に描くサムネイルですから。消してないです。
まあ、その他に色々思うこともありますが、とりあえず置いておいて。

作った曲は、この絵のイメージも入っています。
というかそれプラス湯茶のイメージも入れています。
曲の話に戻ってますが、今回の曲はそういったイメージの
クリスマスの曲なので、あんまり激しくなく、
でも楽しい感じを目指しました。

そしてこの絵は小説にもイメージ作ってましたね。
小説は長いので追記にざーっと置いておきますが、
ある意味この小説(の終盤)の挿絵です。
(小説も読んでみたい方だけどうぞ(^^;))

今回、この絵と曲と、そして小説にて、
これらを私からのクリスマスプレゼントとさせて頂きます。
これでよければ。

楽しんでもらえたらいいですね。



さて、ではもうすぐお正月ですね。皆さんもよいお年をお迎えください!



拍手ありがとうございます!





小説(2012年 12月の店長日記)を読みたい人は「続きを読む」を押してください。
店長日記は、金緑茶房店長の湯茶という女の子の視点の物語です。
今回は「12月」や「クリスマス」をテーマに書いてみました。
いつも通りゆったりのほほん系…かな?
(26日加筆分 小説を大幅修正しました!前と比較してかなり
読みやすさUPしたかなと思います!)
(26日加筆分(二回目) 小説を二回目の修正しました!)
(27日加筆分 小説を三回目の修正しました!)

2012年 12月の店長日記





木々の緑が多い町に、そこはあります。
そこは、私がお仕事をするところであり、
そして私自身の家、でもあります。
「金緑茶房(こんりょくさぼう)」――そんな名前の喫茶店が
私の住んでいるお店です。


「きょ、今日も冷えますね……」

暖房のスイッチをつけながら、私、湯茶(ゆさ)は、はあっ、と
手のひらに息をかけました。もう太陽が昇っているにも
かかわらず、それは見事に真っ白に色がつき、
そしてゆっくりと消えていきました。
もう今年も早いもので12月、年末忘年会のシーズンです。
少し前まではまだ暖かく過ごしやすい気温でしたが、
これからは、私が少々苦手とする季節になってしまいそうです。

「あー!ゆっちゃん、ダメだよまだ暖房つけたら!
 お店の掃除はこれからだよ!?」

ギクッ!
と思わず固まってしまいまつつ、後ろを振り返れば
思った通り、そこにはエルフの女の子の緑流(みり)さんが
いました。

緑流さんは元気いっぱいの女の子です。
名前の通り、さらさらの緑の髪がとても印象的で、
水色の上着に、腰のあたりをリボンで止めた二重のスカート
をはいています。葉っぱをイメージさせる靴下に
本人に対しては若干大きい感じがする丸い帽子をかぶっています。
彼女は、このお店の従業員の一人です。

「最初は窓開けて、ほうきとかはたきとか
 かけるんじゃないのー!?」
「ああ、すみません緑流さん……。やっぱり寒かったもので……」

…そうです、そうなんです。
私は寒いのがとても苦手です。

「あー……。やっぱりゆっちゃんは寒がりだねー、
 雪女なのにー……。夏の方がテンション高くなかった?」

そして私は、今、緑流さんが言った通り、雪女です。
でも何故か、寒いのが私はどうしても苦手なのです。

「言えてるな。夏は湯茶、海とかに行ったとき、
 すっごいにこにこしてたし」

声をした方を見ると、そこには私達二人より
少し背の高い犬耳の女の子がいました。
彼女はセレルさんといって、彼女もここの従業員です。

釣り上がり気味の目に、ふわふわの長い銀髪、
ジーンズのような少し硬い素材で
出来た上着を着ていますが、その面積は小さく、
胸元から胸の少し下部分までしかありません。
そして、下も同じ様なのミニズボンをはいていますが、
それも同じく、腰から膝に少しかかる程度の小さな服です。
(の服装からわかるとおり、彼女はおへそは完全に見えています)
このような彼女の私服ですが、最近は寒い時期なので、
ここに来るまで、そして店内が暖房で温められるまでは、
長い茶色のコートを羽織っています。

「そ、そうですね。……私、雪女さんも日焼けしようと
 するんだなって、そこで初めて知りました…」

そしてセレルさんの言葉の後に、その横にいた女の子も
少し苦笑しながら言いました。
彼女はピアさん。彼女も従業員です。

端が下がり気味の目に、ピンク色の、とてもきめが細か
い絹のような長い髪。そしてちょっとお嬢様っぽい
長い白のレースの服を着ています。

ピアさんはセレルさんと同じ、犬耳の女の子です。
二人は姉妹で、セレルさんがお姉さん、ピアさんが妹さんです。

「普通はしないって……って思うかな?」
「ははっ、真夏のビーチで日焼けしようとしたことですか?
 今年行ったあの」

今年の夏はみんなでプールに行ったり海に行ったりしました。
あの時は実にパラダイスでしたね。
…でも今は、この寒さ……。ううっ。

「……ああ、早くあの季節、また来てしてほしいです…」

あの時のことを思い出して、私はしんみりと
うつむいて座り込みました。ちょっと哀愁ただよっていた
かもしれません。
でも、従業員のみんなは、それはいつものことなので
気にしません。ただただ苦笑している感じです。

「あーあ……。ほらっ、掃除終わらせれば暖房つけられるんだから、
 早く掃除しちゃおうよ、ゆっちゃん!」

緑流さんはそう言って、私にほうきを差し出してくれました。
見ると三人とも、もう掃除用具を手に取っています。

「……そうですね……。わかりました。
 早く終わらせて、暖房・ストーブ・ヒーターをつけて、
 早くお店を暖めましょうか」
「ちょっと待った!多すぎ!どれか一つでも
 十分間に合うから!最高で二つだって!」

セレルさんがすかさず言いました。
私としては結構本気だったのですが…。まあ、いいですか。

「あはは……えーっと(多分)冗談ですよ」
「……こころなしか、今の言葉の裏に
 なにかあったような…」

緑流さんは私の今の言葉に何かを感じてしまったようです。
私はちょっとギクッとしつつ、でも軽く微笑んでから
ほうきを手に取り、そして立ち上がりました。


――やがて自然と4人、輪を書くような立ち位置に並びます。



これは、この喫茶店が始まる合図です。


――これはきっと、私の一日の始まりで。
――これはきっと、みんなの一日の始まりでもあって。
――そしてこれは、きっと、ここ金緑茶房の一日の始まりの
合図なのです。


「――――さて。では、今日も一日、頑張りましょう!」

私が少し大きめの声で、はっきりといいます。

『はいっ!』

すると3人の良い返事が返ってきます。
そして各自掃除を開始しました。



――――さあ、今日一日の始まりです。
そうです、私が店長を務める、このお店の――――。





(12月と言ったら、やはりクリスマスですねぇ…)

その日の業務が終わった私は、この時季のイベントについて
少し考えていました。
早いもので、町はもうクリスマスの準備をしています。
そして、クリスマスをやるのはこの喫茶店でも同じ。
私はこたつの上に、用意した布や折り紙、星、
作り物の木と葉と実、小さなベル、キラキラした飾り、
イルミネーション用の電飾などを並べました。

(すでにツリーは用意してありますから…)


これからすることは大きくわけて三つ。

一つ目は、ツリーの装飾です。星やベルや電飾、そのほか
様々な飾りでツリーを彩ります。最終的にはこのツリーを
お店の中に飾ります。

二つ目は、ツリー以外の店内の装飾です。
メインカラーの赤や緑で店内の雰囲気作りをしたり、
葉っぱとかで飾り付けしたり…。
店内をクリスマスらしい感じでいっぱいにします。

三つ目は、衣装の制作です。
赤と白の布で作るは、もちろんサンタクロースの衣装です。
私を含めた従業員の分、つまり全部で4人分作ります。

(……でも、全部サンタクロースなのですよね…。
……一つだけトナカイとかにしたら……。
……誰が着るでしょう…)

ちょっと考えた末、

(……私、着てみたいかもしれません……)

と思ったりしましたが、まあそれは置いておいて。
…とりあえず、その三つの事柄を、これから数日中に
完成させなければなりません。

「ふわぁー……ゆっちゃーん、お風呂上がったよ~!
 …って、うわあーなにこれー?」

緑流さんがお風呂上りで部屋に入ってきました。
こたつの上にあるものに興味深々といった様子です。
肩にバスタオルをかけていて、まだ暖かいのか、
体から湯気がほかほかとたちのぼってます。いいな。

「暖かそうですね、緑流さん。…これは、もうすぐやる
 クリスマスの準備です」

私は、先ほどの三つのことを緑流さんに説明しました。

「うわあー、すっごく面白そう!……って、あ、そっか。
 去年もやったあれかな?……でも、でも、今年も
 私もやっていいよね、ゆっちゃん!?」
「ええ、もちろんですとも」
「やったー!じゃあ、早速…」

彼女が手にしたのは作り物の木と葉と実。
クリスマスによく見かける、木と葉っぱをアルファベットの
Uを逆さにした様な感じで、上部にリボンやベルをつける、
いわゆるリースを作る素材です。

「これをこうして……」

てきぱきとリースを作っていきます。過去に何度か作った
経験があるため、一年というブランクがあっても
その作業は手慣れた感じです。

「…ねえ、ゆっちゃん。今回はこれ、どこに飾ろうか?」
「そうですね…。…今回はいろいろと自由にやってみましょうか。
 今回リースはそれだけじゃなく、店内用に結構大きいものも
 作る予定ですから」
「そうなんだ、分かったー。……あ、じゃあいろいろ自由に
 出来るんなら、たとえば……折り紙で鶴とかも試しに
 作ってみようか?」

ちょっとおどけた口調で、緑流さんは提案しました。

「……えーっと…………クリスマスに
 折り鶴って、なんか違くありませんか?」
「……」

緑流さんは、「確かにそうかも」といった表情で
苦笑しました。


そんな感じでこの夜は更けていきます…。







クリスマスの準備と言っても、それからの一番の楽しみは
やっぱり当日です。

「12月25日は、クリスマスパーティをしましょう。
 お店が終わった後、ここでみんなでちょっとしたパーティを
 しようと思います。久しぶりに店長権限を発動しようと
 思います。みんな、出来れば強制参加してくださいね」
「出来れば強制参加ってどっちだー!?」

クリスマスの準備を始めた日から数日後、
お店が終わった後に、みんながいるところで私は提案しました。

ピアさんとセレルさんは、私や緑流さんのようにここに
住み込みで働いているわけではないので、
二人の帰り際に話を切り出したことになります。

「いや、そんなことに店長権限つかわなくても…。
 というか出来れば強制参加って…。
 …いいじゃん、面白そうで反対するやつは誰もいないと思うぞ?」
「そうですね…。…私も賛成です。パーティ、
 面白そうです…」
「私もさんせーい!私も料理作っていい!?好きなの
 作っていい!?」

…みんな乗り気の様です。
よかった、今年のクリスマスも面白くなりそうですね。

「うわあーっ…今から楽しみ、えーっとえーっと……
 何作ろう!?」

と、そんな中、かなりうずうずしている感じの子が約一名
目の前にいました。

「…うー……!やっぱり……楽しみすぎて今からもう
 我慢出来ないよ!よし善は急げ、思い立ったが吉日!
 って言うよね!?じゃあ、それでは早速、その材料の
 買い出しに、行ってきます!」
「ちょっと待てストップ」

ビシッ!と敬礼しカバンを持ってすぐさま走り出そうとした
緑流さんを、セレルさんは止めました。

「うー!あー!はーなーしーてー!楽しみすぎて
 今から我慢なんて出来ないよおー!」
「だからって、いくらなんでもまだ早すぎるだろ!今日から
 クリスマスまでにはまだ日にちがあるし、それに今日は
 もう日も暮れてるし…!店とかも閉まってるって!」
「さ、さすがに今から買い出しは早いですって、緑流さん……」

セレルさんは緑流さんの襟首をつかんで見事に宙に
浮かせています。
緑流さんは空中で手足をぶんぶん振って行きたさをアピール。
まるで首の後ろをつかまれた猫みたいです。手足ばたばたしてますが。

「はは、毎度のことですけど、楽しみなことがあると
 じっとしてられないタイプですね、緑流さん」
「うにゅ~……だって楽しみなんだもん……」
「こいつはあれだな、ピクニックとかで前日眠れなくなる
 タイプじゃなくて、前日にもうその場所に着いている
 タイプだな」
「そ、それってどんなタイプなの、セレル姉さん……?」

そうですね~、去年もこんなことがあった気がします。

「ふふっ、じゃあ緑流さんは、今年のパーティに向けて
 私と一緒にいろいろな企画を練ってくださいよ」

緑流さんの帽子を少し浮かして、頭をなでなでしながら
言いました。
……おお、緑流さんの髪、いい手ざわりです。

「あー、その手があったかぁ!」

緑流さんはパッと明るい顔になり、
セレルさんも緑流さんを地面におろしました。

「任せて!いっっぱい面白くしちゃうからねっ!」
「もう爆発する様なことは勘弁だな」
「爆発!?ちょ、待って、私、爆発するような企画なんて
 今までに練ったことないよ!?」
「はは、冗談だ」

おやおや、セレルさんがボケ側にまわるのは珍しいです。

「あ、そういえば…。クリスマスでサンタの衣装
 出来てるのに、湯茶だけトナカイの衣装なんだな」
「そういえば……。店長はサンタさんの衣装
 着ないのですか……?」

さっきも言った通り、緑流さんと一緒にクリスマスの
準備を始めた日から数日経っているので、
衣装はすでに一通り出来ています。
店内では三人ともサンタの衣装ですが、それでも私は
あえてトナカイの衣装を着て仕事をしていました。

「そうですね、サンタの衣装もいいですが……
 でも、トナカイもトナカイで結構面白いんです」
「そういえばなんか、一人だけ茶色の服装で
 にこにこしてたから、サンタとは違ったこう…なんか…
 ほわっと感があったね、ゆっちゃん」
「そうですか?」

そういう風な感想が出るとは思ってませんでした。

「それはあったな。…だが、トナカイの湯茶も悪くないが、
 一回くらいサンタのも着てみたらどうだ?似合うだろうに」
「どうでしょう…。…うーん、そうですね……
 …では、クリスマスの当日にでも着てみましょうか」
「…えっと、それまでは着ないのですか…?」
「あ、もしかしてピアさんも着てみたいですか、
 トナカイの衣装?」

ピアさんはハッとした顔で、すぐに首を大きく横に振りました。

「い、いえいえいえいえ!そ、それは、さすがに
 恥ずかしいです……!」

そしてセレルさんもハッした表情を浮かべた後、
やけに真剣な顔でピアさんに言い寄りました。

「……ピア、姉さん命令だ。ちょっと聞いて。
 …今度、客の前じゃなくていいから、私の前だけでいいから、
 ……それを着て見せてくれ」
「ふぇえええっ!?」

セレルさん……気のせいか、なんだかいつになく目が真剣です。

「え、あ、あはは、ピアちゃん恥ずかしがってるし、
 セレルちゃん、それって冗談……」

だよねって緑流さんが言いたそうだったんですが、
どうやらセレルさんの雰囲気から、その言葉を
飲み込んだみたいです。

「え、えっと、あの……その……!」
「……ダメか…?」

セレルさん、ちょっぴり残念そうです。

「~~~~~っ!」

ピアさん、真っ赤になって少し考えてます。

「頼む、私の前でだけでいいから」

セレルさん、もうひと押し加えました。
……そしてやがて、ピアさんは

「……わ、わかりました…………」

セレルさんのお願いを、うつむきながら渋々承諾しました。

「……あーあーあー……。…セレルちゃん、相変わらずピアちゃんの
 着せ替え好きだねー」
「今回は私の前でだけでと、ちゃんと譲歩したぞ?」

セレルさんはピアさんにいろいろな服を着せるのが
好きだったります。
妹を着せ替えするのが楽しいんだそうです。
…私も見てみたいな、ピアさんのトナカイ衣装。


…あ。えーっと…今回着せる服ってトナカイの衣装…ですよね?

………えーっと………トナカイ萌えって……
あるのでしょうか………?

「じゃあ、そういうことだからな、そろそろ帰る」
「あ、うん、そだね。じゃあお疲れ様ー!また明日ねー!」

おっと、そういえば二人を引き留めていたんでした。

「今日も一日お疲れ様でした。それではまた明日も
 よろしくお願いしますね」
「はい、では今日はこれで……うぅ……」

セレルさんとピアさんは、仲良く二人並んで
家へ帰っていきました。
ピアさんだけ、なんか羞恥のオーラの様なものが出ている
気もしないでもないですが。

「…さて、では私たちは当日の料理のメニューでも
 決めましょうか」
「さんせーいゆっちゃん!」

この後、少しだけ片づけをすれば今日の業務はおしまいです。

……あ、そういえば、パーティのメニュー決って業務の
うちに入るのでしょうか…?








やがて、それから月日は流れて。
いよいよ今日は、待ちに待ったクリスマス当日です。
お店も終わり、みんなで楽しくパーティです。

「ゆっちゃーん、チキン焼けたよー!いい具合だよー!」
「分かりましたー、もう今日の営業終了の札をドアに
 かけたので、どんどん料理をテーブルに運んでおいて
 くださーい!」
「はーい分かったー!」
「ケーキもみなさんの分、ちゃんとありますよ……」
「人数分のグラスとシャンパンと……」

私はメニューを抱えながらフロアをざっと見渡しました。
店内はもうすっかりパーティの雰囲気ですね。
みなさん、楽しそうです。

「うわあーっ……緑流さん、やっぱりお料理上手ですね……」
「ピアちゃんだって上手だよ、今度私に教えてよー」
「あ、それ今私が言おうとしました……」

テーブルに次々に乗っていく料理。
私は今日の売り上げをレジから出力しながら、それを眺めます。

「よっしゃ、ほとんど準備出来たな」
「ゆっちゃん、早く早く!」
「ちょっと待っててくださいねー……。はい、お待たせしました」

今日の集計を確認し、レジの脇にそれを置いて、みんなの
待つ席へと行きます。

「今年ももう気が付けばクリスマスなんですね……」
「うん、早いよねー」
「ここ最近は特に、あっという間に日が過ぎていった気がする」
「そうですねー…。もうすぐお正月ですよ?」

そう、クリスマスが終われば、もうすぐお正月。
今年も無事にここまで来たんだな、と思うのと同時に、
またみんなで次の年を迎えられることが、本当に喜ばしいです。

「さてと、ではさっそく……」
「あ、ちょっと待った」

クラッカーを鳴らそうとした緑流さんをセレルさんが止めます。

「すまん、みんな、その前にちょっと見てみたいものが……」

パアン!!

「キャッ!!」
「うわっ!?」

突然、大きな音がしてセレルさんの声を遮りました。
ビックリしました。

「……あ、えーっと…………ごめん」

見ると、緑流さんが止められたにも関わらず、
待ちきれずにクラッカーを鳴らしてしまったようです。




「…さて、じゃあもう一回言うと…」

頭に大きなたんこぶを乗っけて机に突っ伏している緑流さんを
気にせず、セレルさんは話を再開しました。

「ちょっと見てみたいものがあるんだ、いいかな?」
「なんですか?」
「えーっと……そっからだとピアが一番近いな。
 ピア、電気消してきて」
「あ、はい……?」

セレルさんの指示でピアさんはお店の証明を消します。
そしてお店は暗闇に包まれました。

「よし準備オッケー。……電源オンっと」



…ぱっ、
…ぱっ、と。
暗闇の中に、それは浮かび上がりました。

「……うわあ……っ……!」
「……おおー……!」

見ると、店内にあったクリスマスツリーに施した電飾が、
暗闇の中、色とりどりにきらめいていました。

「……綺麗……ですね……」
「だろ?」

セレルさんは言いました。

「いっつも店内で見てるけどな、こういう真っ暗な中でこれを
 見たことはなかったなって思って……。
 今日使ったら、それからまたこいつは一年、仕舞っちゃうだろ?」
「そうですね……」
「だから、一回見ておきたいって思ったんだ。……ごめんな、
 こんなことに付きあわせて」

そう言ったセレルさんは、ちょっと笑っていました。

「いいですよ、見れてよかったです。
 身近にあったのに気付かないで損するところでした」
「うん、そうだね…」

暗闇の中で様々な色に明滅するそれを見て、とても綺麗だなと
思いました。

「…………え、あっ……雪!?」
「えっ?」

緑流さんが窓の近くに駆け寄りました。

「……わあー、やっぱり降ってるよ!雪だー!」

どうやら窓から雪が降っているのを見つけたようです。

「へえぇ……ホワイトクリスマス、か……」
「……ロマンティックですね……」

三人はクリスマスの雪を見て喜んでいます。
……が、私はそれを見てちょっとふるえていました。

「ど、どうりで今朝寒いと思いました……」

雪を見てちょっと身震いしてしまいます。

「あっはははっ!どうせお店の中はあったかいんだから、
 大丈夫だって!ゆっちゃん!」
「……ん、んー……。……それも……そうですね」

確かに、今は暖かいです。
でも、単純に寒いのどうこうを差し引いて、
クリスマスの雪というものを見てみると……
何故でしょう。不思議と……悪い感じはしませんでした。

(…これがいわゆるクリスマスパワー……ってやつなんですかね?)
「ん、見事にいい感じのクリスマスの日になったな…。
 ……よし、んじゃあそろそろ電気つけて食べるか」
「はーい、待ってましたー!」

ピアさんが電気をつけなおし、それからはみんな席へと
戻りました。

そして緑流さん、セレルさん、ピアさん、最後に私が
グラスを持って。
――さあ、パーティのはじまりです!

『メリークリスマス!!』





パーティが終わったその夜。
この日は夜遅くまでセレルさんとピアさんがお店に
いることになるので、自然と二人もここに泊まることになります。
パーティが終わり、部屋でみんなでひとしきり遊んだり話した後、
三人は寝てしまいました。

(……さてと、ここからも店長業務ですかね)

そんな中、私はみんなを起こさないようにそっと部屋を
抜け出しました。
なぜですかって?
それは私が別の部屋に置いてある、「あるもの」を
取りにいくためです。

「あるもの」が置いてある部屋に入ったとき、ふと、
今日着ていたサンタクロースの衣装が目につきました。
そういえばここに置いておいたんでした。

(……ふふっ、形も大事……なんて感じですか?)

今日私は、それまでのトナカイの衣装ではなく、
この服装で仕事をしていました。
……いい機会です。
それならば、私は今日は最後まで、サンタクロースに
なってみましょう。
私はサンタクロースの衣装に身を包みました。

(……そうですね……みんなに、喜びを与えられる
サンタさんになれればいいですね……)

サンタの衣装に着替え終わった私は、「あるもの」を
手に取り、そして、みんなのいる部屋に、また
ゆっくりと戻っていきました……。







木々の緑が多い町に、そこはあります。
そこは、私がお仕事をするところであり、
そして私自身の家、でもあります。
「金緑茶房(こんりょくさぼう)」――そんな名前の喫茶店が、
私と大好きなみんなが働いているお店です。


「ううっ、今日も冷えますね……」

私は暖房のスイッチをつけながらつぶやきました。
昨日は雪も降っていましたし…、窓の外を見れば
それはまだあまり溶けていないようです。
空は晴れてはいるんですが…。

「早く暖かくなってください……!」

暖房の前でふるえながら暖かくなるのを待ちます。

「あー!ゆっちゃん、ダメだってまだ暖房つけたらー!
 掃除はこれからだってー!」

ギクッ!
としながら振り返ると、予想通りに、そこには起きてきた
緑流さんがいました。

「あーあー、本当に寒がりだなー、湯茶は」
「そうですねー……」

つづいてセレルさん、ピアさんも一緒に起きてきました。

「ははは……おはようございます、みなさん……。
 いや、寒くって……」
「もー!先に掃除だってー!」

やれやれといった様子の緑流さんでしたが、それから
ぱっと笑顔になって言いました。

「…でも、私は寒いの平気かな、だって、昨日サンタさんが
 マフラーをプレゼントしてくれたんだ!」

そう言ながら自分の首にかけているマフラーを見せてくれました。

「それは手編みだな?そういえば、私も手編みのセーター
 というプレゼントがあったんだが…」
「はい、私も手編みの手袋をいただきました……嬉しいです……」

三人とも、笑顔でプレゼントを持っていてくれています。
…そしてやがて、みんなは、こっちを見て言いました。

『ありがとう、サンタさん』

…喜んでもらえたようですね。……良かった。

「……ふふっ、どういたしまして」

ちょっと照れながら言わせていただきました。

「あ!ごめん、そういえばゆっちゃんにプレゼント
 用意するの忘れてた!」

緑流さんは申し訳なさそうに言いました。すると、
セレルさんもピアさんもハッとした表情になりました。

「私ですか?いいですよ、パーティにプレゼント交換とか
 入れませんでしたし……。それに、私もプレゼントはちゃんと
 もらいましたよ?」

……サンタになった私ですが、そんな私にもプレゼントは
もらえました。

「え、うそ、本当!?なになに、どんなプレゼントなの!?」

私が一番ほしかったプレゼント。
…それは今、ちゃんともらいましたよ。

「……えーっと…。…そうですね……。……秘密です」
「えーー!?」

私のもらったクリスマスプレゼント。

「なんでー!?教えてよー!」
「ふふっ、教えません。さあ、早く掃除して暖房つけましょうか」
「あ、こらー、逃げたなー!ねー教えてよー!」

私のほしかったプレゼント。

「…ふふっ」




…それは、「従業員のみんなの笑顔」です。

形こそないですが、それは私にとって、
そして店長にとって、何物にも代えがたい、
なによりの一番の、最高のプレゼントなのです。



12月の店長日記 おわり

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プロフィール

天月 ちひろ

Author:天月 ちひろ
(あまつき ちひろ)
神奈川県にいる。今のところは。
血液型 A型だよね!?
まったり激しく面白く。
趣味 ゲーム、ネタ作り、作曲など
好きな食べ物 最近とみにお酒が
おいしく思えてきた(っていうか飲み物)

二次の小さい女の子が大好き大好き大好きー!

「行雲流水」ね。

何かあればこちらまで。
なければ飛び込み前転。
mail
nagi992288☆yahoo.co.jp (☆→@)

販売サイト様
dlsite様 同人誌、同人ゲーム、同人ソフトのダウンロードショップ - DLsite.com (リンク先は18禁同人のトップページです)

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